旬のスイーツリレー③ 「アジアのベストパティシエ賞」に輝いた「エスキス サンク」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年03月27日

IMG_6576東京メトロ銀座駅から地下直結、昨年3月にオープンした大型商業施設東急プラザ銀座の4階に出店した「ESqUISSE CINq(エスキスサンク)」。ミシュランガイド2つ星のイノベーティブなフレンチレストラン「ESqUISSE(エスキス)」による新業態のスイーツ・サロン・ブティックだ。レストランにいかずとも、グランメゾン「ESqUISSE」のデセールを堪能できるデザート専門店で、これまではレストランのフルコースの中でしか味わえなかったデザートを、コース仕立てで楽しむことができる。デザートのためだけに世界中からファンが訪れる、というほど美食家を虜にする「ESqUISSE」のシェフ・パティシエ成田一世氏のプロデュースということでオープン時にも大きな話題となった。

 

IMG_6468IMG_6434IMG_6467IMG_6456IMG_6460入口のショーケースには、テイクアウト用のケーキやマカロンなどが彩りよく並ぶ。「ミルフィーユ」「モンブラン」「オペラ」など、おなじみのフランスの伝統菓子が成田シェフならではのオリジナルのタッチを加え、モダンな解釈で表現されている。また、レストランでも購入したいというゲストからの要望がたえなかったパンも販売。パン ドゥ カンパーニュ、プチブール、フォカッチャ、ミニバゲット、リュスティック、カヌレなど、フランス産の小麦を使用し、毎朝レストランで焼いたフレッシュな品々が並ぶ。

 

IMG_6504サロンは、カウンター席とテーブル席、合わせて約30席。ウッド調にコンクリートを配した異素材の組み合わせが先鋭的なインテリア。カウンターに席をとれば、臨場感あふれる創作の現場を体感することができる。

成田シェフは、1967年、青森県生まれ。青森の実家が洋菓子店だったこともあり、高校卒業後パティシエの道へ。当時はフランスへ行って修行したパティシエがもてはやされた時代。自分もフランスへと、まず南仏「ロアジス」で修業。その後、1999年パリの一つ星「ステラ・マリス」を皮切りに、三つ星「エノテカ・ピンキオーリ」「ピエール・エルメ・パリ」「ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション」など、国内外の名店で研鑽を積み、輝かしい経験と実績を誇る。2012年帰国し、「ESqUISSE」のシェフ・パティシエに就任。2007年「NYタイムズ紙」が選ぶパンとデザート部門のBest of New Yorkを受賞。2017年2月には、世界中のシェフが腕を競う「世界のベストレストラン50」の「アジアのベストパティシエ賞」にも選ばれた。

 

妥協を許さず、自らのクリエイションを追求する渾身のデセール

アシェット・デセールはプレデセール、グランデセール、ミニャルディーズの構成で、ドリンク付き税込4,100円、ドリンク無し税込3,500円。季節ごとに代わる3種類のグランデセールを、好きなコンビネーションで選ぶことができる。

 

IMG_6482プレデセール 

晩白柚をほぐし煮て、その上にわさびのシャンティ、エストラゴンとわさびを使ったソルベ、アクセントにジンの元になっているネズの実、ジェニパージェリー、泡はノイリーと日本酒。素材や食感、味の共鳴など仔細に計算されたひとつひとつは、まるで入念に織り込まれたオートクチュールのパーツのようだ。自然のサイクルを見据えた奥深い哲学をベースに確固たる信念のもとに仕上げられた珠玉のひと皿。

 

 

IMG_6498グランデセール1 「シュークルトリュフ」

まず味わっておきたいのが成田シェフのスペシャリテ「シュークル」。金色に輝く丸い球体が「吹き飴細工」という意味を持つ。世界各国でロブションのシェフ・パティシエを経験した成田シェフが東京のロブション時代に創作したデセールだ。飴細工をスプーンの背で割ると、トリュフの馥郁たる香りが広がりフランボワーズの泡にマスカルポーネのムースが顔を出す。添えられるプルーンの赤ワイン煮、赤ワインを煮詰めたソース、キャラメル、洋梨のペースト、ビールの蒸留酒、ミックスハーブ、トリュフのキャラメリゼ、ベリーのソースなどを絡めながらさまざまな味わいと香りとテクスチャーを楽しむ。

 

IMG_6553グランデセール2 「スフレ」

通常ココット型に収まっているはずのスフレが、技術的に難しい型から出された状態でプレゼンテーションされる。独特のしっとりしながらも軽やかな食感。竹炭のソース、チュイル、カカオの実のオイル、マーブル状のチョコ、ブラックベリーのソース、スフレの下にチョコレートのスープ、ミルクの泡などのパーツを組み合わせたチョコレートづくしのひと皿。これほどの量のチョコレートで構成されていても甘く感じることはなく、カカオの香りと味わいが口のなかで溶け合い無限のバリエーションが広がる。自らパプア・ニューギニアに出向き、自然環境が生み出すバナナ原生種の酵母で、カカオ豆を発酵させるところから造り上げて2年、シャープな食感からチーズのようなまろやかさをかもしだすチョコレートに進化している。

 

 

IMG_6519グランデセール3 「季節のデザート タルトタタン」

りんごはグラニースミスを使用。クランベリーのソースにキャラメリゼしたピンヨン=松の実。ベルジョワーズソースを使ったキャラメル。シャンティは生クリームとバニラアイスクリーム、ピスタチオパウダーを合わせて。ミルクのスプーマ。ブルーベリー、バニラのアイスクリーム、砂糖をつけて乾燥させた姫りんごをあしらう。りんごをキャラメリゼし、アーモンド、パイに加え、マール、シャンパーニュのアイスクリームにキャラメル、松の実を散らす。アルコールがほどよく効いてスイーツというよりコース料理のなかの1品のようなひと皿。

 

テイクアウトのケーキ人気ベスト3

IMG_6545パピヨット(¥800税別)

薄く延ばしたやわらかなチョコレートにくるまれ、金銀の糸を結んだ凝ったデザインのケーキは、思わず誰かにプレゼントしたくなる。ビターなチョコに包まれた中身は、意外にもクリーミーで濃厚なティラミス。

 

IMG_6534ミルフィーユ (¥700税別)
パイ生地はサクサクしながらも密度が濃く香ばしい。バニラビーンズ入りのカスタードクリームはなめらかでコクがあり、厚みのあるパイ生地とのバランスが絶妙。

 

IMG_6539いちごのガトー「フレジエ」(¥700税別
ベースは、ダクワースにクレームディプロマット。ブリュレ・バニーユ、フルル・ド・ビエールのジュレ、フランボワーズのジャムが旬のいちごの自然の甘みを引き立てる。

 

 

IMG_6429ESqUISSE CINq(エスキスサンク)
東京都 中央区 銀座 5-2-1 東急プラザ銀座 4F 03-5537-7477
東京メトロ銀座駅:C2、C3出口より1分 日比谷駅:A1出口より2分 
東京メトロ有楽町駅:AO出口より2分
11:00~21:00(L.O.20:15)
不定休(東急プラザ銀座に準ずる) http://www.esquissetokyo.com/index.html

 

 

旬のスイーツリレー⑯タント・マリー
旬のスイーツリレー⑮ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
旬のスイーツリレー⑭オクシタニエル
旬のスイーツリレー⑬エクラデジュール
旬のスイーツリレー⑫アンヴデット
旬のスイーツリレー⑪アングラン
旬のスイーツリレー⑩リョウラ
旬のスイーツリレー⑨アシッドラシーヌ
旬のスイーツリレー⑧タンドレス
旬のスイーツリレー⑦デセールル コントワール
旬のスイーツリレー⑥パティスリーS
旬のスイーツリレー⑤リベルターブル
旬のスイーツリレー④グリーン ビーントゥ バー
旬のスイーツリレー③ エスキス サンク 
旬のスイーツリレー② ピエール・エルメ パリ 青山
旬のスイーツリレー① トシ・ヨロイヅカ 東京

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