旬のスイーツリレー⑦スイーツマニア憧れのデザート・ライブ「デセール ル・コントワール」
2017年08月27日
連載「旬のスイーツリレー」7回目は、「パティスリーS」の中元修平シェフ推薦、目の前で作ってもらえるデザートコースが予約困難な人気ぶり、「デセール ル・コントワール」の吉崎大助シェフです。
デセール ル・コントワール
(Dessert Le Comptoir)
フランス語で、le Comptoir(ル・コントワール)とは「カウンター」を意味する。スイーツマニア憧れの吉崎大助シェフのアシェットデセール(皿盛りデザート)7品が饗されるこの店のカウンターには、今や紹介がないと座ることは難しい。1日2回転、ほぼ常連さんのみが享受できる奇跡のデザートコースは今年で8年目。四季を感じる果物をフィーチャーし、サレ(フランス料理で塩味のきいた甘くないケーキ)とスイーツを織り交ぜながらアクセントを効かせつつ構成される。洋菓子界が閑散とする夏に、一番の盛り上がりを見せる桃のスペシャルコースは、マニアの間ではもはやレジェンドだ。アンティークを配した小粋な店内には、テイクアウトの焼き菓子なども取り揃えている。
最寄りの等々力駅からは徒歩約18分という静かな住宅に、「ケーキ屋さん」を探すと思わず通り過ぎてしまうほど飾り気なくひっそり佇む。扉を開けると、ケーキのショーケースの代わりに迎えてくれる大きなカウンターは、甘いお菓子よりワイングラスが似合いそうだ。このカウンターで賞味できるのは、ご新規さんは3点のデザートセットから。7品のデセールコースは主に常連向けに、要望や予算に合わせて仕立ててもらえる特別のコース。イチゴ、サクランボ、桃などをテーマにしたおみやげ付きの豪華なパフェ会やテリーヌ・ショコラのトリュフがけといった贅沢なお菓子全10回の頒布会なども主にお得意様用で、吉崎シェフのお菓子へのアクセスは残念ながら非常に限られている。
テレビでケーキ作りの番組を見てパティシエの仕事に興味をもった吉崎シェフ。21歳で、いつも通りがかっていた老舗洋菓子店、自由が丘の「パーラーローレル」に「無謀にもかけあって」、まったく素人ながら受け入れてもらい修行をスタート。8年修業ののち、飴細工のコンテストでよい成績をおさめているホテルで修業したい、と渋谷のセルリアンタワー東急ホテルへ。フランス料理店に配属され、経験がないにもかかわらずいきなりデザート部門を任されたことがきっかけで、デザートレストランのオープンを思いついた。
目ざしているのは、一目で「コントワールだ」とわかってもらえる創造的なお菓子。同じ系統の食材使いで、たとえば、赤ワインのジュレ、コンポート、ソースなど重ねていく。食感などリズム感が生まれるよう、飽きないように多くのパーツを組み合わせる。素材重視で自分の個性を加味し、フレンチの華やかさを取り入れ、目で舌で楽しませる。優しいビジュアルの予想を裏切る独創的でエッジの効いた味わいに、一度訪れると誰しも虜になってしまうだろう。
桃とビーツ
桃のコンポート にディルオイルとビーツ。アールグレイのシロップに桃を沸騰させないで弱火でゆっくり加熱するポシェ。絶妙に組み合わせたシナモン、アニス、バニラ、カルダモンが桃に絡みスパイシーな個性を発揮。
プラムとソルダム
フロマージュブランのアイスに赤ワインのグラニテとジュレ、クレームディプロマット、アーモンドのキャラメリゼ。プラムとソルダムの酸味が赤ワインと溶け合い、キャラメリゼの苦味が効いた大人のひと皿。
マンゴーのコンポート
カスタードクリーム、クレームディプロマットに、ラズベリーのピンクの泡とピスタチオのグリーンのクリームのパステル調彩りが優しい。見た目を覆す刺激的なスパイシーな味。いずれも金粉をたっぷりのせてゴージャスの極み。
デセール ル コントワール
東京都世田谷区深沢5丁目2-1
03-6411-6042
12:00-21:00 木曜定休
東急大井町線等々力駅より徒歩18分
旬のスイーツリレー⑯タント・マリー
旬のスイーツリレー⑮ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
旬のスイーツリレー⑭オクシタニエル
旬のスイーツリレー⑬エクラデジュール
旬のスイーツリレー⑫アンヴデット
旬のスイーツリレー⑪アングラン
旬のスイーツリレー⑩リョウラ
旬のスイーツリレー⑨アシッドラシーヌ
旬のスイーツリレー⑧タンドレス
旬のスイーツリレー⑦デセールル コントワール
旬のスイーツリレー⑥パティスリーS
旬のスイーツリレー⑤リベルターブル
旬のスイーツリレー④グリーン ビーントゥ バー
旬のスイーツリレー③ エスキス サンク
旬のスイーツリレー② ピエール・エルメ パリ 青山
旬のスイーツリレー① トシ・ヨロイヅカ 東京
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