旬のスイーツリレー⑲「パティスリーユウササゲ」多彩で表情豊かなスイーツ

カテゴリー／ GOURMET ｜投稿者／ Gouret&Traveller
2018年12月27日

連載「旬のスイーツリレー」19回目は、アディクトオシュクル（Addict au Sucre）の石井英美(いしいえみ)シェフのご紹介で、おもたせに人気の焼き菓子やフルーツを使ったケーキがカラフルな「パティスリーユウササゲ」の捧雄介(ささげゆうすけ)シェフにご登場いただきます。

パティスリーユウササゲ

ライムグリーンの外観がパリの街角にあるショップを思わせる「パティスリーユウササゲ」は千歳烏山駅の北口から徒歩約4分。多彩な焼き菓子が並ぶ奥には生菓子のショーケース。フルーツをふんだんに使った季節感たっぷりのケーキやビュジュアルに凝ったオリジナリティあふれるプレゼンテーションに心もはずむ。キュートな缶に詰められたブルターニュクッキーのアソートは思わずパケ買いしそう。雑誌などのおもたせ特集でも大人気だという。

1977年、新潟県生まれの捧雄介(ささげゆうすけ)シェフは、子供の頃、自らの手で何かものづくりができたら、と考えていた。将来スーツを着てサラリーマンになるイメージが浮かばなかった。食に興味があり、特に甘いものが好きだったことから、進路を決める際、料理かお菓子かどちらの道に進むことに迷う。最終的に好きが高じてお菓子により強くひかれ、専門学校へ。卒業後、フランス菓子の名店「ルコント」でフランス菓子の基本を勉強する。その後、「オテルドゥミクニ」、「アロマフレスカ」のシェフパティシエを勤める。

「オテルドゥミクニ」は、現「エーグルドゥース」の人気シェフ寺井則彦さん時代、最先端のお菓子作りを伝授された。イタリアレストラン「アロマフレスカ」では、皿盛りのデザート作りを学ぶ。バランスよくさまざまな経験ができたことがその後、活きてくる。
2005年、湯島「ロワゾー・ド・リヨン」にスー・シェフとして入社し、2008年からは同店のシェフを務める。2010年には「パティスリーエカフェプレジール」のシェフ・パティシエに就任。2013年、千歳烏山にオーナーシェフとして「パティスリーユウササゲ」をオープンした。「一度リセットして、フランス菓子の原点に立ち返りたい」という新たな決意ではじめた店づくり。伝統的なフランス菓子をベースに自分なりの組み合わせで表情豊かなスイーツをめざす。

ケーキは季節ごとに入れ替わり、常時20種類ほど。焼き菓子も40〜50種類は用意している。オーソドックスなものから季節のスペシャリテまで、日常の些細なことからもイメージをストックして新作を考えている。素材の美味しさを引き出したり、後味を引き締めたりのかけひきで表現できるおいしさをめざす。
珍しい自分の名前、捧(ささげ)も、オリジナルのひとつ。この名前を浸透させていけるよう精進して街の人々に愛される店にしていきたいという。

パルファン 445円
まるで花が咲いたようなケーキはその名の通り、バラの花の香りがとても豊かな、ゴージャスなスペシャリテ。香りをコンセプトに、バラ、フランボワーズ、紅茶3層の味の構成を考案。香水をイメージし、つけて時間が経ってからから香りが変わるように食べ始めからだんだん変わっていく。バラから始まりフランボワーズ、最後は紅茶のクレームダマンドで終わる。パルファン(香水)のように余韻の残る香りと味。