熱波が襲う日本の夏を脱出。氷河を眺める涼しげなクルーズの旅に出る。日本から飛行機で9時間ほどのカナダの西海岸、バンクーバーを出発。アラスカへと北上する1週間の洋上の旅。途中、4か所の寄港地では、究極の非日常体験が待っている。
夏のアラスカは、最高気温が25度ほど。平均約20度と一年のうちでもっとも快適な気候である。フィヨルドを巡り、森のなかの氷河を眺め、先住民の文化に触れ、犬ぞりの体験を楽しむ。一生に一度は体験したい夏のアバンチュールの始まりだ。
アラスカクルーズの船が何隻も停泊しているバンクーバーの港「カナダプレイス」。なかでもエレガントなフォルムでほかの船とは一線を画すのが、「Seven Seas Explorer®(セブンシーズエクスプロラー)」だ。「エクスプローラー」の名が示すよう、冒険の旅に連れて行ってくれる、リージェント セブンシーズクルーズブランドの6隻のうちの1隻。全室バルコニー付きスイートルーム、優れたクルー、多彩な美食空間、選択肢の広い充実のエクスカーション、オールインクルーシブのラグジュアリーなクルーズ船で、この上ない優雅な冒険の旅に誘われる。
バンクーバーから乗船すると、エントランスでは、笑顔のスタッフにシャンパンとともに迎えられる。ゴージャスな階段のもと、ゲストが待つラウンジでグラスを片手にチェックインというスタートからリュクスな時間が流れる。
ピカソの作品が壁面を彩る、品格あるインテリアの中、案内された部屋はコンシェルジュスイート。船旅とは思えない豪華な大理石調のバスルームに広々としたバスタブ、レインシャワー、ツーボウルのシンク。使い勝手の良いウォーキングクロゼット、快適に過ごせるシックなインテリアのリビング、キングサイズのベッドは、Elite Slumber™。のんびりとオーシャンビューを楽しめるゆったりサイズのバルコニーは特等席だ。
ウェルカムの文字が入ったベッドスローにリビングに用意されたシャンパン。ホスピタリティにあふれた温かさが船出を華やかに演出してくれる。さっそくテラスでグラスを傾け海風に吹かれると、日本を出発する際の酷暑が嘘のような心地よさに包まれる。
出航は19時であるが、13時から乗船できるので、早めにチェックインしてさっそく船内のレストランのランチに出かける。多様な美食を堪能できる極上のダイニングがいくつもあることでも定評のあるリージェント。まずは、「ラ ベランダ」で、美食の船旅をスタートだ。陽がさんさんと降り注ぐデッキで海を眺めながらのランチビュッフェ。アラスカ産のサモンや海の幸の充実ぶりはこの航路ならでは。このデッキでは、毎日太陽のもと朝食を楽しむことになる。
ランチ後は、しばし、船内を探検タイム。日中、プールサイドでくつろぎたい時には、絶景を見晴らすプールデッキ。チーク材をアクセントにしたエレガントなデザインで、プライベートを保つため二席ごとに仕切られている。
最先端の料理のトレーニングセンター、カリナリーアートキッチンには、白珪岩のカウンタートップにステンレスが輝く18のクッキングステーションを完備。予約をすれば、クッキングスクールに参加することができる。
カードルームは、エレガントな雰囲気の中でゲストが集まって和やかな勝負の空間。スロットマシンが華々しく光を放つカジノでルーレットやポーカー。豊富なメニューで心身を整えるスパ「Serene Spa & Wellness」。洗練されたアイテムが並ぶブティックものぞきたい。
船内を歩いているといたる所にバーカウンターやコーヒーラウンジがある。11階にも及ぶ広い船内を歩き疲れたら、好きなところに座ってカクテルやカプチーノで一休み。Wi-Fiも完備されているので、仕事をしたりネットサーフィンをしたり、その時の気分で好きな場所を選び気ままに過ごすことができそうだ。
船が出航する様子をバルコニーから眺め、バンクーバーの町が次第に小さくなっていく。いよいよ海の上で過ごす非日常に突入だ。
まずは、部屋で一休み。テレビではクラシックから最新作の映画も見放題。映画を見終わると、初日のディナータイムがやってきた。
まず、選んだのは、アメリカの定番料理をガストロノミックに昇華させたステーキハウス「Prime7」。厳しいドレスコードはなく、カジュアルスマートでOK。クルーズ船での旅慣れたゲストが多いのか、誰もがソフィスティケートされたたずまいで店内は華やいでいる。
「Prime7」では、熟成されたニューヨークストリップやポートハウス、繊細なフィレミニョンからタマリンドウィスキーソースを添えたスモークサーモンまでご馳走がメニューに並ぶ。
今回選んだのはは、フィレミニヨンにロブスターが添えられたスペシャリテ。海側の席をお願いして静かに進む船の航路を眺めながらリッチな料理に舌鼓。ワインは特別料金でのヴィンテージも揃えているが、フリーフローもイタリア産、カリフォルニア産を中心に格を感じるラインナップ。デザートには、クレームブリュレを選び、1日目の美食体験を満喫。船のどのレストランでもヴィーガンメニューが用意されており、誰もが好みのスタイルで食事を楽しむことができる。
ディナーから部屋にもどると、ターンダウンサービスの折に、翌日の寄港地の情報、分刻みに行われるアクティビティの詳細と予約したエスクカーションのチケット、日本語のニュースダイジェストまで置かれていた。
参加するエクスカーションは乗船前に予約が必要。あまりの充実ぶりに選ぶのが困難なほど、興味深いテーマが並ぶ。体力と興味に合わせて選択できるが、無料のツアーから別途料金がかかるものまで様々。なかには、プライベートヘリコプターで氷河を見下ろす空中散歩など豪華なツアーも。今回はフィヨルドを巡るクルーズツアーを選択したが、機会があれば空から雄大な氷河を見下ろしてみたい。
想像もつかない翌日の景色に思いを馳せながら眠りにつく。明日は何が起きるのか? 船旅では、このワクワク感が毎日続くのだ。
現実逃避したくなったら、クルーズ旅に出ることをおすすめする。
次回はこのフィヨルドツアーをはじめとしたエクスカーション体験をリポートする。